愛がなんだ

愛がなんだ (角川文庫)

愛がなんだ (角川文庫)

言いなりになる、とか、相手がつけあがる、とか、関係性、とか、葉子はよく口にするが、それらは彼女の独特な人間関係観、もしくは恋愛観である、と、私は思っているので、えへへ、と 曖昧 に笑う。私のなかに言いなりだのつけあがるだのという言葉は、存在しない。存在するのはただ、好きである、と、好きでない、ということのみだ。けれどこれも、きっと私独特の人間関係観であり恋愛観であり、葉子には意味不明なのだろう。私は言いなりにはなっていないし、マモちゃんはつけあがったりしないよ、とは、だから私は言わない。

改めて角田さんの文章好きだなぁという感じで面白かった。