ある男

ある男

ある男

『現在が、過去の結果だというのは事実だろう。つまり、現在、誰かを愛し得るのは、その人をそのようにした過去のお陰だ。遺伝的な要素もあるが、それでも違った境遇を生きていたなら、その人は違った人間になっていただろう。──けれども、人に語られるのは、その過去のすべてではないし、意図的かどうかはともかく、言葉で説明された過去は、過去そのものじゃない。それが、 真実の過去 と異なっていたなら、その愛は何か間違ったものなのだろうか? 意図的な嘘だったなら、すべては台なしになるのか? それとも、そこから新しい愛が始まるのか?……』

面白かったです。オススメ。