有頂天家族 二代目の帰朝

思案につまったら遊ぶべし。これぞ狸の解決法である。

「父上、私はもう鍋になってしまったのでしょうか」
「そんなことはない。眠っているだけだ。これはおまえの夢なのだよ」
「父上はどうして狸の姿のままなんです?」
「……もはや化けられる身ではないからな」
「夢の中なんだから化ければいいのに」
「やりたい放題というわけにはいかんのさ。それが夢というものだ」

京都行きたい