χの悲劇

χの悲劇 G (講談社ノベルス)

χの悲劇 G (講談社ノベルス)

紙は 5/6 に出ていたけど、 kindle 版はようやく先週末ぐらいに出た。 とてもとても良かった。島田さんが主人公で、ハッキングのシーンはスカイシリーズのようだった。( イメージのような羅列だけど飛行機じゃないから想像もつきやすくてワクワク感がとてもあった )

あと二冊でGシリーズがどう終わるのか気になりつつ、ちょうど1年ほどかかって最新刊を待つ側に到達もした(短編とか一冊で終わるものはまだ読めてないけど...)

「こういうの、コマンドっていうんですよ。もう古文みたいなものです。失われた文明ですね。えっとぉ、何だったかしら、あ、そうそう……、若いときに頭に入ったことは、忘れないものね。ほら、動いた。まだ、こんなコマンドを受けつけるんだ。基礎的な部分では、全然進歩していないのよ、上辺ばっかり繕って、新しく見せているだけなのね。さてと、これで、もう一度、リセットしてみましょう」

ドアを閉め、通路を歩く間、彼女とは誰のことなのかと考えた。自分は天才ではない。天才の下で仕事をした経歴を持つただのエンジニアだ。そして、結局はその天才のおかげで、彼女は比類のない技術を身につけることができたし、また、たまたま知っていたことが、世界のどこかが求める価値を有するデータを引き出すための鍵になった。それもこれも、「彼女」が天才だったからだ。

「ですから、仕事の仲間だって、どちらかといえばバーチャルなんです。そもそも、会社がバーチャルにあるんです。仕事もすべてそうです。そういうのをずっと続けていると、今みたいに、人に会って話をしているのが、夢を見ているみたいに認識できます」

最初から最後まで楽しみつつちょっと泣きそうにもなった。1年前に関連シリーズ読み始めて良かった!