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夏のレプリカ REPLACEABLE SUMMER S&M

book

「その西之園って子ね、もう、何て言うのかなあ、正統派のお嬢様、うーん、違うな……、箱入り人形……。そうね、イニシャライズしてないハードディスクみたいな子なの」

若いときには、ずいぶん嫌いなものが多かった。
何かを嫌いだ、と主張することは簡単で、気持ちが良い。
本当に嫌いだったわけではない。
嫌いだと思い込むことで、自分を確保できる、そんな幻想があった。
何かを嫌いになることは、軟弱な自分には都合が良い。
若者は皆、好きなものを求めるのと同じだけのエネルギィを使って、嫌いなものを一所懸命探している。そうすることで、自分が明確になると信じている