詩的私的ジャック JACK THE POETICAL PRIVATE S&M

詩的私的ジャック JACK THE POETICAL PRIVATE S&M

詩的私的ジャック JACK THE POETICAL PRIVATE S&M

「どんなところが面白いですか? 研究って」
萌絵はきいた。
「そうだね……。それも、よくきかれるけどね」
結城寛が微笑む。
「うまく言葉で説明できないし、自分でも理屈はよくわからない。でも、これよりも面白いものが、人類に残されているかって思うよ」
「大学院に進学しようかどうか迷っているんです」
萌絵は相談してみることにした。
犀川先生にご相談すれば良いわ」
杉東が横から言う。
「将来のこととかも含めて」
「ええ、先生は進学した方が良いって……」
「なんだ、それじゃあ、迷うことはないでしょう?」と杉東。

「将来を決めてしまうなんて、恐ろしいじゃないか。そんな恐いことはしたくない」犀川が言う。「台風の進路だって、扇形に広がっているだろう? 人間の進路はもっと広角だ」