帰って来たヒトラー

帰って来たヒトラー上

帰って来たヒトラー上

帰って来たヒトラー下

帰って来たヒトラー下

帰って来たヒトラーを読んだ。1ヶ月以上前に読み始めたけど色々バタバタしていてだいぶ時間がかかった。 ページ数は上下巻合わせて 300 ページぐらいなのでそんなに長くない。(なので少し値段が高く感じた...)文体もだいぶ柔らかいのですぐ読めた。(好き好きはありそう)

ドイツの事情に詳しくないので、そこらへんの話がいまいち掴めなかったのと、言葉遊びが何個かあったけどドイツ語だとどのように扱われているかがすごく気になった。

もちろん、文化欄の文章が俗人の理解を超えたほとんど意味不明なものであることは、六十年前も今も変わらない。その状況が変わらないのは、「記事の内容が理解不能であればあるほど、読者はその記事を高尚だとみなす」という状況が今もあるからにちがいない。そして読者は、内容を理解できずとも文章からポジティブな調子が感じとれれば、それを大切なものだと推測するのだ。

こういう感じで現世と60年前を比較しつつ、ヒトラーが適応していき、周りの人が巻き込まれていくという話。

だから、私は説明してあげた。あれは、ぜんぶ風刺なんだよ。もう二度とあんなことが起きたりしないように、そのためにやっている風刺なんだよって。でも、おばあちゃんは言った。あれは風刺なんかじゃない。ヒトラーが昔に言ったことを、そのまま繰り返しているだけだ。人々がそれを聞いて笑っているのも、昔とおんなじだって。

ただ読んでる側としてはこのおばあちゃんの視点に近いとも感じていて、ヒトラー、巻き込まれる人、読んでる人でズレてるのが面白かった。

2014 春で見たアニメ

2014 冬で見たアニメ - @soh335 memo

孤食ロボット 1

ご飯作るときとかのロボットとの掛け合いが読んでて楽しい(羨ましい)。 今年一番おもしろい。

深夜特急1 香港・マカオ

深夜特急1―香港・マカオ― (新潮文庫)

深夜特急1―香港・マカオ― (新潮文庫)

ところが、屋台のオバサンはいらないという。初めは私が外国人だからサービスしてくれているのかと馬鹿なことを考えたが、そうではなかった。オバサンや客の必死の身ぶりでようやく理解したところによれば、ペンキ屋の彼がこういって立ち去ったらしいのだ。明日、荷役の仕事にありつけるから、この二人分はツケにしておいてくれ、頼む……。私は、失業している若者に昼食をおごってもらっていたのだ。自分が情けないほどみじめに思えてくる。情けないのはおごってもらったことではなく、一瞬でも彼を疑ってしまったことである。少なくとも、王侯の気分を持っているのは、何がしかのドルを持っている私ではなく、無一文のはずの彼だったことは確かだった。